宇野昌磨は新たな自分の可能性を見つけたい。環境を変えて果敢に挑戦 (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 僕の試合用プログラムは、『試合用!』という曲調のものが多かったけど、今年は多分、『これはエキシビ?』みたいなプログラムを試合で出せると思うんです。まだ振り付けをしてもらっていないし曲名もわからないけど、フリーがデビッドさんでショートはシェイ=リーンさんにしてもらうことは決まっています。曲の感じでは、フリーは本当にエキシビションのようなプログラムになると思うし、ショートのほうはダイナミックでとてもハードな、本当にシェイ=リーンさんのプログラム、というものになると思います」

 今後は、ステファン・ランビエルコーチのいるスイスへ合宿に行くほか、中京大を拠点に国内で練習をする予定だという。国内では本田武史コーチに1カ月数回のジャンプコーチを依頼する以外、コーチに関しては決まっていない。「メインコーチに関して言えば、たぶん今年は決まらないんじゃないかな、と思っています」と宇野は話す。

「もうすぐシーズンが始まるなかで急にコーチについてもらい、そのコーチにすべての大会に帯同してください、とお願いするのは何か申し訳ないような気がします。どこかに拠点を置いて練習をしたうえで、メインコーチをお願いできれば、と考えています」

 今のところは海外を拠点にしたいという気持ちが強いが、ひとりでやることに不安はまったく感じていないという。昨シーズンの宇野は、結果を出したい気持ちを前面に出して戦うことに挑戦した。世界選手権が不本意な結果に終わった際には、もっとうまくなりたいと思う気持ちが強くなった、と話していた。

「今は、結果よりも自分のスケートをしたい、という気持ちが強い」と宇野は言う。昨シーズンは、自分の競技に向き合う意識を変えた。次は、環境も変えて自分にできることの可能性を広げたい、という思いを抱いている。新たなシーズンへ向かう宇野昌磨は、競技者として、表現者として、もっと進化をしたい、という高い心意気に溢れている。

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