三原舞依は難病にも負けず。体力を戻して憧れのプログラムに挑戦 (2ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 フリーは『フェアリー・オブ・ザ・フォレスト』という曲と、『ギャラクシー』のピアノバージョンを組み合わせた曲なんですけど、すごくきれいな、最初から最後まですごく大好きな音楽で、初めてローリー・ニコルさんに振り付けをしていただいたプログラムになります。トロントで2週間ほどスケートに対する思いとか、手の動かし方、目線の送り方とか、すごくたくさんのことを学ぶことができたので、それを全部込めて演じていきたいと思っています」

 現役引退まで浅田とタッグを組んできたニコル氏に自分のプログラムを振り付けてもらうことは、念願だったという。

「こんな日が来ることが信じられないくらいうれしくて。お会いした時には、夢かなと思うぐらいびっくりしてしまいました。いろいろな選手たちのプログラムを見ても、ローリーさんの振り付けはスケーティングやスケートに対する思いを感じます。憧れの選手をずっと見てきた先生なので、(そのニコル氏にも)憧れがずっとありました。振り付けをしていただけるとは思っていなかったので、しっかりと頑張りたいです」

 新しいジャンプとしてトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)にも挑戦しようとしていたが、体調面で不安がある状況では中断せざるを得なかったようだ。

「春の合宿ではだいぶやっていたんですけど、いまはまだちょっと取り組めていない状態です。とにかく今は体力を戻すことを一番にやっています」

「しっかり戻すので、待っていてください」と言う三原。2015年の終わりに病気が判明してから、この難病とつきあいながら世界のトップスケーターに成長してきた19歳には「希望」と「目標」がしっかりとある。まずは体力をつけて、戦えるコンディションを整えてリンクに戻ってきてほしい。そして、今季もまたトレードマークの「舞依スマイル」を見せてもらいたいものだ。


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