羽生結弦に迫るチェン、チャン、宇野...。四大陸選手権はフリーがカギ (2ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi 能登 直●写真 photo by Noto Sunao

 優勝候補には、まずは羽生の名前が挙がるだろう。ショートプログラム(SP)、フリーともに4回転ループを入れた技術構成は、今の4回転時代にしっかり対応したものだ。NHK杯ではSP、フリーともにミスをしながら合計301.47点を獲得して優勝。このことは彼の今季のプログラムが持っているポテンシャルの高さを証明している。

 羽生の総合力の高さは、どのライバル選手も認めている。さらに今回は、全日本選手権を体調不良のために欠場したという悔しさもある。どの大会でもベストを尽くしたいと思っている羽生だからこそ、「この大会で全日本の分も!」と強く意識しているはずだ。

 もちろん昨季のGPファイナルで出した世界記録、330.43点の更新も意識しているに違いない。そのための課題は、フリーをどこまで仕上げてくるかということになる。

 SPに関していえば、羽生は練習で夏場から何度もノーミスの演技をしてきた自信があると語っていた。シーズン序盤にはそれを試合ではなかなか再現できなかったが、ファイナルでは最初の4回転ループがGOEで1.03点減点されるだけのミスにとどめて106.53点を獲得しており、自信を強めたはずだ。ロック調の曲は彼の勢いを存分に出せるプログラムだけに、今回はノーミスで110点台に乗せる可能性も十分にある。

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