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【ボクシング】井上拓真vs.那須川天心 在米記者4人が語る「初戦の天心の敗因」「拓真に残る不安」 (3ページ目)

  • 杉浦大介●取材・文 text by Daisuke Sugiura

2.拓真はここ2試合でキャリア最高とも言えるパフォーマンスを見せている。再戦でそのレベルを維持するために、何を意識すべきか

ゴンサレス : 拓真は序盤からジャブを使って距離を詰め、さらにボディーをもっと攻める必要がある。初戦では、そのふたつが十分にできていなかった。おかげで天心は試合終盤までスタミナを残すことができた。拓真が序盤から左フックをコンスタントにボディーに打ち込めば、天心の動きを徐々に鈍らせることができる。試合後半には天心をより容易なターゲットにすることができるはずだ。

キム : 拓真は兄(尚弥)の存在によって大きく影に隠れているが、彼自身も本当にしっかりとしたプロボクサーへと成長した。兄ほどのパワーはないかもしれないが、非常に優れたスピードと俊敏性がある。自分には試合の流れを一発で変えてしまうようなパワーがないことを理解しているからこそ、1分、1秒を通して動き続けなければならないこともわかっている。再戦でも拓真は初戦でうまくいったことを続けるべきだ。つまり、賢く、そしてコンスタントにボクシングをすることだ。

テイラー : 拓真はすばらしい中間距離のファイターだ。兄・尚弥より爆発力や身体能力では劣るが、スタイルは似ている。だから彼にとってカギになるのは、焦らずに、天心が焦り始めるまで戦うこと。

 今回の再戦では挑戦者のほうが証明しなければならないことが多く、天心はほかの日本人選手と比べても非常に感情を表に出すファイターだ。それが拓真にとって有利に働く可能性がある。天心が序盤からより慎重に戦うのであれば、拓真が意識すべきは、ジャブを起点にしたうえで、すべてのパンチの交換で先に仕掛け、自身のパンチで最後に終えること。そうすれば天心のパンチの手数を減らすことができる。

バティア : すでに青写真はある。距離を詰め、ボディーを攻め、天心をインサイドで戦わせる。そこはキックボクサーが最も居心地の悪さを感じる距離だ。私が見てみたい唯一の修正点は、もっと早いスタートだ。初戦では、序盤のラウンドを譲ってしまった。天心のように速く、自信を持っている選手を相手にそれは危険なことだ。1ラウンドからボディー攻撃を確立できれば、3ラウンドからギアを入れ始めた初戦よりも、拓真にとって試合は楽になる。

 経験の差も重要だ。初戦を迎えた時点で、拓真はプロで203ラウンドを戦っていたのに対し、天心はわずか50ラウンド。その差が試合後半になると明らかに表れていた。

後編につづく:「在米記者4人の勝敗予想は? 天心に逆転の条件はあるか」

著者プロフィール

  • 杉浦大介

    杉浦大介 (すぎうら・だいすけ)

    すぎうら・だいすけ 東京都生まれ。高校球児からアマチュアボクサーを経て大学卒業と同時に渡米。ニューヨークでフリーライターになる。現在はNBA、MLB、NFL、ボクシングなどを中心に精力的に取材活動を行なう

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