中谷潤人vs井上尚弥は伝説の一戦を想起させる「超一流の戦い」アメリカの名トレーナーが語る夢のカード
【15歳からアメリカで腕を磨いた中谷の評価】
「多くの人と同じように、私もジュントとナオヤ・イノウエの試合に期待する。ぜひとも実現してほしいね」
WBCバンタム級チャンピオン、中谷潤人は試合前に必ずLAでキャンプを張る。最短で1カ月。2カ月を超えることもある。15歳で渡米した頃から師事するルディ・エルナンデスから与えられるスパーリング中心のメニューを黙々とこなしてリングに上がる。キャンプ中は、LA内のさまざまなジムでトレーニングを重ねる。
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このところ、主な練習場所となっているのが、LA国際空港から東に24kmの地に建つ「Knockouts Boxingジム」だ。オーナーは1971年4月11日生まれのマニー・ロブレス。自身もトレーナーとして、元WBAスーパーフライ級チャンピオンのマーティン・カスティーリョ、WBOバンタムとWBCフェザー級タイトルを獲得したジョニー・ゴンサレス、WBOフェザー級王者だったオスカル・ラファエル・バルデス、WBA・IBF・WBOヘビー級王座に就いたアンディ・ルイス・ジュニアなどを指導してきた。
自分の選手を連れて、日本で世界タイトルマッチを戦った経験もあるロブレスは、つかず離れず、中谷の成長を見守っている。現地時間の9月9日、2日後に自身の抱えるファイターとともにサウジアラビアに向かうロブレスをインタビューした。
「ルディはジュントを3階級制覇の本物に育て上げた。その手腕は見事だし、努力に努力を重ねたジュントも素晴らしい」
両親に手を引かれ、6歳でメキシコのグアダラハラから不法移民としてアメリカに入国したロブレスは、言葉の通じない異国で生きることの難しさを嫌というほど理解している。
「周囲の人に話しかけられたって、何を言っているのかわからない。学校の授業にもついていけない。つまり、教養を得られない。ソーシャルセキュリティナンバーだってない。34歳でアメリカ市民となるまで、私は単なる不法移民だった。建設労働などのブルーカラーや、レストラン、ショッピングモールでの雑用など、さまざまな仕事をこなしながらプロボクサーとして6戦し、その後、トレーナーになった。ボクシングは親父がやっていたから、自然と好きになったね。
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