因縁の岩谷麻優との激闘前夜、王者・中野たむが記者に「怖いです・・・」と吐露した理由 (4ページ目)

  • 尾崎ムギ子●文 text by Ozaki Mugiko

 残り時間、5分。両者場外へ。ボロボロになりながら、カウント19でリングに戻る。残り時間、3分。岩谷がトップロープへ。驚異的な高さのフロッグ・スプラッシュ。残り時間、1分。岩谷が再びトップロープから執念のムーンサルト・プレス。残り時間、30秒。たむが強烈なスクリュー・ドライバーを繰り出した。しかし、岩谷は立ち上がる――。

 ゴングが鳴った。たむのトワイライト・ドリームが美しく弧を描いたが、わずか数秒、遅かった。

 結果はドロー。ベルトは防衛したが、岩谷に勝つことはできなかった。リングに横たわりながら、マイクを持つ。

試合後、再びリングで相まみえることを誓った ⓒSTARDOM試合後、再びリングで相まみえることを誓った ⓒSTARDOMこの記事に関連する写真を見る「岩谷麻優......岩谷麻優......。私は、あんたを超えるためだけに、ここまでやってきた。引き分けなんて、認めない。勝たなきゃ意味がない。絶対に、決着をつける。絶対......。岩谷麻優。あなたをめちゃくちゃにぶっ壊すのは、私だけだ。......そうでしょう?」

 そう問いかけながら、愛おしそうに岩谷を見つめる。おそらくまだ、岩谷麻優の呪いは解けていない。

 岩谷も再戦を要求した。「たむが麻優をボコボコにできるなら、麻優はたむをボコボコにする。いつか、中野たむからそのベルトを奪ってみせるから......それまで、大切にね」――。

 2人の第二章が始まった。

【過去インタビュー】バレエとアイドルで感じた絶望。中野たむは劣等感と闘い続けた>>

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