伊調馨が明かす心境。「東京五輪で5連覇よりもやりたいことがある」 (2ページ目)
だって、"もったいない"じゃないですか。レスリングに行こうと思えば行けるけど、そうしたら、また朝から晩までレスリング漬け。同じことの繰り返しで、狭い、もう知っている世界。それよりもイベントなどに出させてもらって、いろんな方と話をさせてもらうほうがいい。そのほうが今まで知らなかった世界が見えてくるし、人生の幅が広がるチャンスだと思うんです」
リオデジャネイロオリンピック後、数々の祝勝会や授賞式、イベント、取材が続き、スケジュール表はビッシリ。連休も取れず、日本シリーズ開幕戦で始球式を務めた翌日、念願のディズニーランドには行けたものの、温泉でのんびりすることは実現できていない。そんな超多忙のなかでも、女王は自らの人生の進むべき道をしっかりと見つめている。
北京オリンピックの後、男子のコーチや選手と練習をするようになり、レスリングの奥深さを知った伊調は、「説明のできるレスリングを目指し、勝利よりも技術を追求」してきた。それゆえ、「レスリングを極めんとする孤高の求道者」「異次元の強さを追求する絶対女王」と呼ばれている。
リオで4連覇を達成しようとも、「やり残したこと、できていないことはまだまだ山ほどある」。だが、伊調は常々、「選手でなくても、コーチになってレスリングを追求するというのも、いいかなと思っている」と語ってきた。
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