2014.12.06

若手が台頭。リオ五輪に向けて柔道界の活性化なるか

  • 折山淑美●取材・文text by Oriyama Toshimi

 12月5日に開幕した柔道グランドスラム東京。注目された新旧対決は、男女ともに新勢力が勝利する結果になった。

女子48kg級で浅見八瑠奈を下し、今大会2連覇を果たした近藤亜美 最初は男子66kg級準決勝、ロンドン五輪3位で世界選手権は3連覇中の海老沼匡(パーク24)に、高校2年の阿部一二三(神港学園高)が挑戦する試合だった。中学生の頃から「将来の金メダル候補」と期待されていた阿部は、今年のインターハイを制してユース五輪でも優勝した。10月の世界ジュニア選手権では逆転負けを喫したが、シニアとの対戦だった11月の講道館杯では優勝と一気に頭角を現してきた選手だ。

 この試合で先手を取ったのは海老沼だった。開始30秒に内股返しで"有効"を奪った。さらにその直後にも阿部に"指導"が出される。

 阿部はこの試合をこう振り返る。「最初に組んだ時は『すごい強いな』と感じて。それで前半は様子を見て相手につきあってしまったので有効を取られた。でも後半に入った時にこのままでは勝てないなと思い、自分のいいところでもある前に出る柔道をやったら相手がすごく嫌がったというか、圧力がかかり、それが技ありにつながった」

 海老沼は「今日は頭を使った柔道ができなかったので、いつかは負けるだろうなと思ってやっていた。阿部との準決勝は最初に有効を取ったので守りに入ったが、その時点で負けていました」という。

 前に出る柔道に転じた阿部は「相手が返そうとしてきたけど重心が後ろにかかっていたのでちょうどタイミングがあった」と、4分14秒に大内刈りで"技あり"を奪い、海老沼を下した。