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【女子バレー】女子バレー界のニューヒロイン、佐藤淑乃が振り返る挫折と成長 憧れのブラジルのエースも「絶対に勝ちたい相手」 (3ページ目)

  • 田中夕子●取材・文 text by Tanaka Yuko

 SVリーグの長いシーズンを戦い続けてもパフォーマンスが落ちるどころか、日本代表でネーションズリーグに臨んでも落ちることなく成長する。その成果を佐藤自身が実感していた。

「3年前の世界選手権を経験してから、『もう一度代表で勝負したい』という思いがあったんですけど、当時の代表で戦う人たちを見て、自分との実力差をすごく感じて、苦しい時期がありました。Vリーグや世界で戦うほかの選手たちと大学にいる自分の差がもっと開いていく気がして、『もっと早く成長したい』と焦ったこともあります。でも、NECに入って自分が想像した以上にいろいろな経験をして、成長することができたのかなと思っています」

 昨年末、12月に中国で開催された世界クラブ選手権では、日本代表セッターの関菜々巳が在籍したイモコ・コネリアーノ(イタリア)と対戦した。試合はセットカウント0-3で敗れたが、対戦相手にはブラジルのエースで、佐藤も「憧れ」と語る"ガビ"ことガブリエラ・ギマラエスがいた。

 試合後には少し話をする機会もあったが、分け隔てなく接するガビの姿に「劣勢時の周りに対する振る舞いや、ディフェンス力もすごい」と称賛しながらも、ネーションズリーグで互いが国の代表として対峙した際は「絶対に勝ちたい相手だから憧れを捨てて臨む」と笑顔で話す姿に、新たな逞しさが見えた。

 悔し涙をその都度次への力に変え、経験を重ねて得た自信。

 二度目の世界選手権で、佐藤はどんな姿を見せるのか。念願だった場所に立ち、さらに強いエースへ変貌を遂げていく。

 きっと、見るたび胸躍る姿が見られるはずだ。

(石川真佑が語る世界との差 悔しいパリ五輪から1年、日本の強みを「もう一段階上げられたら」>>)

【写真】バレーボール女子・ネーションズリーグフォトギャラリー

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