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石川祐希はペルージャで初心にかえる パリオリンピックは「勝負を楽しんでいる自分はいなかった」 (4ページ目)

  • 柄谷雅紀●取材・文 text by karaya masaki

【パリの借りはロサンゼルスで返す】

――東京、パリと五輪に2大会連続で出てみて、あらためてどんな舞台でしたか?

「やっぱり五輪はとんでもなく価値ある大会だな、と思いましたし、特別な大会だと感じました。そこで勝つことのすばらしさや勝つ意味は、他の大会とは違うものだなと」

――借りは4年後に返す、という気持ちはありますか?

「日本代表の新しい体制もまだ決まってないので、ビジョンは明確には見えていませんが、ロサンゼルス五輪を目指してやることは、パリ五輪が始まる前から決めています。五輪でしか証明できないことがあるので、借りを返すという気持ちは持っています」

――パリ五輪を終え、ペルージャに向けて出発する時に、インスタグラムに「バレーボールを極めてきます」と綴りました。どのような思いからでしょうか。

「単純に"うまくなるだけ"というのは違うな、という思いがありました。うまくなること、強くなること、成長すること、それらをすべてまとめて、という意味で書きました。ただうまくなるだけでは軽いというか、ペルージャではもうひとつ先を見て、結果もしっかり残すという思いを込めて『バレーボールを極める』と。去年の世界一のチームなので、いい環境、チームメート、スタッフも揃っていますから、そこで極めようと思っています」

――ペルージャで過ごす1シーズン、1シーズンが大切になってきますね。

「そうですね。今は練習も楽しいです。ハイレベルですし、学ぶことも多い。ペルージャという小さな街で、本当にバレーボールに集中できる環境です。スタメン争いもしていますし、イタリアに最初に来た頃のような状況なので、初心にかえるじゃないですけど、もっとうまくなってスタメンを獲得して、試合に出て活躍できるようなシーズンにしたいと思います。そこに結果がついてきたらベストですね」

――これからの4年間で、どんな石川祐希になりたいですか?

「東京からパリにかけては結果が徐々に出てきたと思っているので、パリからロスに向けては"常に結果を出し続けられる石川祐希"でありたい。結果次第ですべて変わってしまいますけど、トッププレーヤーであり続ける。そういった選手でありたいと思いますね」

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【プロフィール】
◆石川祐希(いしかわ・ゆうき)

1995年12月11日生まれ、愛知県出身。イタリア・セリエAのペルージャ所属。星城高校時代に2年連続で三冠(インターハイ・国体・春高バレー)を達成。2014年、中央大学1年時に日本代表に選出され、同年9月に代表デビューを飾った。大学在学中から短期派遣でセリエAでもプレーし、卒業後の2018-2019シーズンからプロ選手として同リーグで活躍。2021年には日本代表のキャプテンとして東京五輪に出場。29年ぶりの決勝トーナメント出場を果たした。

【写真】男子バレー日本代表キャプテン・石川祐希 フォトギャラリー

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