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「感覚はよかった」のに2回戦負け。
頭をよぎる錦織圭の年齢問題 (2ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text&photo by Ko Hitoshi

 ドバイとインディアンウエルズで続けてフベルト・フルカチュ(54位、ポーランド)に負けた時は、22歳の若手選手には失うものがなく、その勢いに錦織が押されたという見方もできた。

 だが、マイアミでの2回戦では、ラヨビッチの調子が格段よかったわけではなく、どちらかと言えば錦織のひとり相撲だった。

 まず、「サーブがもうちょっと入っていれば、また展開は変わっていたと思います」と、敗因には錦織が振り返ったサービスゲームの出来の悪さが挙げられる。

 錦織の第1セットのファーストサーブの確率は56%と低かったものの、ファーストサーブでのポイント獲得率は79%を維持できた。第2セットのファーストサーブの確率は52%で、ファーストサーブでのポイント獲得率が42%に落ち、リターンからラヨビッチは、錦織にプレッシャーをかけていた。今、多くの対戦相手が、錦織の甘いサーブを見逃さずに、リターンから強打して攻撃することを試みている。

 そして、ファイナルセットのファーストサーブの確率は70%に回復したものの、ファーストサーブでのポイント獲得率は58%に留まり、錦織のプレーの回復の起点には成り得なかった。

 さらに、錦織の武器のひとつである細かく素早いフットワークが影を潜め、初動が鈍いためポジションに入るのが1~2歩遅れ、グランドストロークでのミスが早かった。特に、一番の武器であるはずのフォアハンドストロークは、下半身のパワーを十分に生かしきれず、上半身だけの鈍いスィングになって、錦織らしからぬミスが多発した。錦織は、風の影響を指摘したが、そこまで強風ではなかったし、条件はラヨビッチも同じだった。

 錦織のプレーには躍動感が見られず、覇気もないまま、翼をもがれた鳥のようなプレーに終始した。

 正直に言えば、これほど悪いプレーの錦織をマイアミで見たのは初めてだ。これは、プロテニスプレーヤーなら誰もが通る道でもある、年齢を重ねる中で、徐々に実力が落ちていく過程なのだろうか。

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