心配な錦織圭の右手首は「ほぼ100%」。むしろサーブは切れ味抜群 (2ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

 錦織が試合の流れを引き寄せた最初の機は、第1セットの第4ゲームを奪った最後のポイントだ。時速197キロのサーブで機先を制してラリーの主導権を握ると、深いフォアで相手をベースライン後方に押し込んだ後、ネット際に沈める柔らかなドロップショット......。これはフェレールもさすがの快足を飛ばして返すものの、それも予期していたかのように最後はバックの強打をオープンコートに叩き込む。フォアハンドで構築する早い展開と深いストローク、そして意表を突くドロップショット......赤土の上に絵筆を走らせるような自在のプレーが、錦織の創造性を際立たせた。

 もちろん、反省材料がなかったわけではない。特に第1セットのゲームカウント4-4の場面では、3本連続のブレークポイントを握りながらも、スマッシュのミスもあって逃す。

「あそこは獲りたかったですね。0-40ですごくチャンスでもあったし、特にスマッシュのミスであったり......」

 その落胆を引きずったか、続くゲームでは相手に2ポイント連取されて0-30となるも、ここで効力を発揮したのがサーブだ。切れ味のいいサーブをコーナーに打ち分け、2連続でサービスウイナー。その後も軽快にポイントを重ねて危機を脱すると、続くゲームをブレークする。

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