全豪ベスト4の美人ペア「えりみゆ」が、東京五輪のメダル候補に浮上 (2ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi


「大会を通して、いいダブルスができていたなと思う。こういったゲームを毎試合できるように、これからもやっていきたい。すごく充実したトーナメントでした。この気持ちを忘れずにこの先も頑張っていきたい。いつか決勝の舞台で戦えたらなって思います」(加藤)

 2人ともに1994年生まれの22歳。1994年生まれには才能豊かな日本女子テニス選手が多く、日本テニス界には"94年組"なる言葉が存在する。この2人以外にも尾崎里紗、日比野菜緒、二宮真琴がおり、ジュニア時代から切磋琢磨してきた。

 京都府出身の加藤は身長156cmと小柄だが、運動能力が高く、動きが俊敏で、いろいろなボールを器用に打てる技術を持ち合わせる。明るい性格でちょっと天然系、独特の間を持ってしゃべるので、会見ではよく笑わせてくれる。

 神奈川県出身の穂積は身長168cmで日本女子選手の中では背が高く、安定したグランドストロークが持ち味だ。性格はしっかり者で、インタビューの受け答えも理路整然としている。

 見た目もキャラもまったく異なる2人だが、ダブルスのコンビネーションは、ジュニア時代から組んできただけあって、プロになった現在も抜群だ。穂積が後衛から、しっかりストロークを打ち、加藤が前衛からポーチ(後衛同士のラリーをボレーでカット)でポイントを決めるパターンが最大の武器となる。元ダブルス世界ナンバーワンの杉山愛は、2人のダブルスの印象を次のように語る。

「2人のコンビネーションがいいですし、グランドスラムでも安定した成績を残せています。ひとつひとつですけど、いいプレーができればトップを狙えると思います。いいチームです」

 加藤と穂積が、初めてダブルスを組んだのは15 歳の時、2010 年全豪ジュニアの部に出場した際だ。その翌年には全豪ジュニア女子ダブルスで準優勝を果たした。

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