大坂なおみ、弱点克服で「超高速サーブ」がズバズバ決まった (2ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

 その最たるものが、"サーブ"である。大坂といえば、先の全米オープンで最速201キロを叩き出した「超高速サーブ」が代名詞。しかし一方で、安定感に欠き、セカンドサーブになるとスピードが落ち、コースも甘くなる傾向がある。

 その弱点を克服すべく、チブルコワ戦での大坂は、試合前に打つべきサーブコース等のシミュレーションを行なったという。指南役となったのは、この夏から日本テニス協会女子ナショナルチームのコーチングスタッフに加わった、デイビッド・テイラーだ。オーストラリア女子代表チームの監督や、2011年全米優勝者のサマンサ・ストーサー(オーストラリア)ら多数のトップ選手のコーチを歴任してきたテイラーは、大坂に「この状況では、どこにサーブを打つべきか」という問答を繰り返し、解を見つけられるよう導いていったという。

 結果、チブルコワ戦の大坂は、セカンドサーブからでも64%の高確率でポイントを獲得。安定したサーブが試合を支配する手綱となり、第1セットを6-2で奪うと、第2セットも5-1と大きくリードした。

 しかし、勝利まであと1ゲームと迫ったこの場面で、最大の試練が彼女を襲う――。

「5-1までは緊張もなくプレーできたけれど、そこでUSオープンのひどい悪夢がフラッシュバックしちゃって......」

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