2020.09.03

福原愛は1枚の写真と共に五輪に挑んだ。日本卓球初のメダルへの執念

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by PHOTO KISHIMOTO

 メダル獲得を狙う団体では、決勝まで王者の中国と当たらない組み合わせになった。

 その前哨戦ともなるシングルスの戦い。第4シードの石川と第5シードの福原はともに3回戦からの登場だった。福原は五輪自己最高のベスト8に進んだが、そこで前年の世界選手権女王で世界ランキング1位の丁寧(ディンニン/中国)に0対4で敗戦。第1ゲームは10対6とリードしたが、「勝ち急いでしまった。してはいけないところでミスをしてしまった」(福原)と反省が残る戦いとなった。

 石川もランキング下位の選手に着実に勝ち、日本人初のベスト4進出を果たした。準決勝では、金メダルを獲得することとなる李暁霞(リシャオシャ/中国)に第1、第2ゲームをあっさり連取された。「1ゲーム目でチャンスボールをミスしてしまい、第2ゲームまで焦り過ぎた」(石川)。そこから踏ん張り、第3ゲームは接戦に持ち込み13対11で取った。だが最後は相手のパワーに屈し、1対4で敗戦した。

 翌日の3位決定戦は、第6シードの馮天薇(フォンティエンウェイ/シンガポール)を相手に1ゲーム目の中盤まではリードしたが、最後は競り負けて9対11でゲームを落とした。その後も「流れをつかめないで簡単なところでミスが出た」とゲームを連取されて0対4でメダルを逃したが、若き日本女子のエースの役割は十分果たした。

 石川と福原はともに、自分のランキングどおりの戦いができたことで気持ちは高まっていた。

 石川は「シングルスで当たる相手は団体でも当たるだろうと思っていた。(シングルスで)いい試合ができたので、その勢いが切れないように戦いたいと考えていました」と言い、福原は「シングルスで負けた時は悔しかったけど、その分『団体戦は絶対頑張るぞ』と心に誓うことができました」と話す。そして平野も「シングルスの試合を見ていてすごいと思ったし、チームとしても勢いをつけてくれたので、私も入りやすかったです」と述べた。