美人レーシングドライバー小山美姫はストイック。F1という夢に向かう (4ページ目)

  • 川原田剛●取材・文 text by Kawarada Tsuyoshi
  • 能登直●写真 photo by Noto Sunao(a presto) 磯貝琢哉●動画 video by Isogai Takuya

ーーWシリーズでは、女性ドライバーをF1へ送り出すという目標を掲げています。その第1号を目指す気持ちですね? 

小山
 実際に海外で戦い、そういう気持ちがますます強くなりました。今、同じレッドブルのサポートを受ける角田裕毅選手がF1の下のFIA F2選手権で活躍しています。彼はレッドブル・ジュニア・チームの所属で、私はレッドブル・アスリートですから、立場は違いますがやっぱり彼の走りは私にとってすごく刺激になっています。 

 彼とは日本のFIA F4で一緒に戦っていましたが、後ろを走ったときに速さを感じました。そんなことを本当は認めたくないですが、ドライバーは後ろを走っていると、相手の実力がわかるんです。彼は本当に速かった。 

 日本で一緒に戦っていた日本人ドライバーがF2で優勝したり、トップ争いをしたりしています。彼と私はともに日本から海外へ出て戦っていますが、向こうは成績をしっかりと残しているのに「自分は何やっているんだろう......」と、正直思うこともあります。でも私だってこのままで終わるつもりは絶対にありません。負けてられないですよね。だから彼の活躍は私の一番のモチベーションになっているんです。 

ーー角田選手は来年、F1にステップアップする可能性も十分あると報道されていますね。一緒に走って彼のどこにすごさを感じましたか? 

小山 やっぱり常にクルマの限界ギリギリで走っているところです。限界で走ることができているときは、外から見てもすごくスムーズできれいに見えます。ですが、限界で走っているがゆえに、そこを1ミリでも超えたときは挙動が乱れてクルマが暴れます。私が見た角田選手は一周だけでなく、常にギリギリのところを走り続けていました。「すごいな」と思いました。

 そのレースの後で私自身、気になったことがあったので彼に話しに行きました。そこで私の走りにポジティブな要素があったことも確認できました。自分の目で見て、自分自身の中で速いと認めた相手なので頑張ってほしいと心から思います。

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