レッドブル・ホンダ、最終戦は攻める。残ったパワーを最大限に引き出せ (2ページ目)
その点では社長・副社長にも直接『ブラジルGPはよかったね』と言ってもらいましたし、ホンダのF1が強くなってきているのを認識してもらっていると実感しました。ブラジルのワンツーはいい意味で後押しにはなったと思います。ただ、だからといって今回のワンツーで急に(活動継続が)決まったわけではなくて、積み重ねてきたものですね」(山本雅史マネージングディレクター)
今季の3勝を通して、ホンダが当たり前のように勝てる未来が見えてきた。それに加えて、2021年レギュレーションが発表されたことにより、予算の縮小が可能になった。
「F1に復帰してからある程度のレベルに到達するまでは開発を強化していかなければならないから、思った以上にコストがかかっているのは事実です。ただ、2021年のレギュレーションが決まって、パワーユニットの規定が大きく変わらないことや、ベンチテストの規制などで開発コストが抑えられるというのもひとつですね」(山本マネージングディレクター)
レッドブルが目標として掲げていた「年間5勝」は果たせなくなってしまったが、昨年と同じ4勝の可能性はまだ残されている。今週末の最終戦アブダビGPで勝利を収めれば、昨年と並ぶことになる。フェルスタッペンも11点差でシャルル・ルクレール(フェラーリ)をリードして、ドライバーズランキング3位を確保しようとしている。
今週末のアブダビGPで勝てるかどうか?
「それは走ってみないとわからないよ。今シーズン全体を振り返ってみれば、ここではメルセデスAMGが速いと言わざるを得ないとは思う。だけど、今週末がどんな展開になるかを見守るしかない。正しいセットアップを見つけられるかどうかにも、かなりかかっているしね。ここ数戦はトップ3チームが接戦だったし、今週末もそうなればと思っている」
フェルスタッペンがそう語るように、今年のメルセデスAMGはメカニカル面の改良によって低速コーナーの速さに磨きがかかり、昨年までレッドブルが圧倒的に優位だった特性のコーナーで強さを発揮している。曲がりくねったアブダビのセクター3で強さを見せるのは明らかで、テクニカルディレクターのピエール・ヴァシェが「ブラジルよりもアブダビでは苦戦すると思う」と覚悟しているのはそのためだ。
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