雨絡みの展開でJ・バトンが神業。F1の経験がスーパーGTで生きた (3ページ目)

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro
  • 吉田成信●撮影 photo by Yoshida Shigenobu

 コンディションの変わり目には、絶対的な強さを見せる――。バトンの抜きん出た能力は、このスーパーGTの舞台でも大いに発揮された。

 レース中盤、不安定な路面コンディションの影響により、各チームともアクシデントが続出する。しかし、バトンはまったくミスをすることなく冷静に対処。全車が1回目のピットを終えて順位を見ると、バトンはいつしか4番手まで浮上していた。

 これで流れを引き寄せた1号車は、最終スティント担当の山本がさらなる追い上げを見せ、DENSO KOBELCO SARD LC500(ナンバー39)のヘイキ・コバライネンを猛追。そして残り6周で追い抜き、3番手のポジションを守り抜いて今季初の表彰台を獲得した。

 レースを終えた山本は、あらためてバトンのすごさを感じたという。

「ウェットからドライに切り替わるタイミングのなか、JB(バトン)がしっかり走ってくれました。今日の3位は、彼がいてくれたから獲れたものだと思います」

 開幕戦では不運な同士討ちにあい、ポイントを獲得することができなかった。今回の第2戦でも予選から不調が続き、後方に沈む苦しい展開となった。それを、バトンが"匠の技"で流れを取り戻した。

 山本/バトン組は今回の快走で11ポイントを獲得し、ドライバーズランキングも4位に浮上。2018年王者の逆襲が、ようやく始まった。

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