レッドブル・ホンダに厳しい現実。必要なのは「魔法のパスワード」だ (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

険しい表情でレースを見つめる田辺豊治テクニカルディレクター険しい表情でレースを見つめる田辺豊治テクニカルディレクター ホンダも「フェラーリに対してストレートで遅れている認識はあります」と田辺テクニカルディレクターが認める。

「どこが負けていて、どこが同等で、どこが勝っているのか。どのコーナーで、どのストレートで失って、それがどうラップタイムにつながっているのか......。そういうことをチーム側だけでなく、パワーユニット側の視点でも分析しているところです。ライバルの性能や使い方なども含めて分析し、『だったら、こちらはどういう戦い方をすれば勝てるパッケージになるね』という議論をチーム側としていきます」

 バーレーンGP後には、HRD Sakuraの開発スタッフがミルトンキーンズにあるレッドブルのファクトリーに集まり、この2戦で見えてきた事実の見直しと、ここまでの開発計画の進捗状況、そして今後に向けた開発計画の見直しを、両者が揃って擦り合わせるという。レッドブルもホンダも冷静に現実を直視し、良好な関係を保ったまま未来に目を向けているというわけだ。

 2019年シーズンのF1は2レースを終えたが、誰もがすべての力を出し切れているわけではない。マシンをスイートスポットに落とし込むことができるかどうかで、勢力図は毎レースのように変わってくるだろう。

 オーストラリアGPの結果がすべてでもなければ、バーレーンGPの結果がすべてでもない。常に進歩し続け、誰よりも大きな歩幅で進歩できたチームが、最後にトップに立つ。今はまだ後れを取っていても、レッドブル・ホンダはまだ1%たりともあきらめてなどいない。

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