2019.03.05

佐藤琢磨は優勝争いに食い込めるか。
インディ開幕、今季の勢力図

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 アメリカのレースが目指しているのは高いエンターテインメント性だ。競争が激しく、どのレースも誰が勝つのかわからない、見る人がワクワクするバトルを披露するのが理想とされる。オープンホイールマシンによるアメリカ最高峰、インディカーシリーズは今年もそんな17レースを開催し、チャンピオンを決定する。

 開幕前の合同テストを見ても、チャンピオンの栄冠を狙うのに十分な戦闘力を持つドライバーが数多くいた。これほどコンペティティブなシリーズは珍しい。

今季もレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングから参戦する佐藤琢磨 競争が激化しているのは、ホンダとシボレーが供給する2.4リッターV6ツインターボ・エンジンの実力が拮抗し、シャシーはダラーラのワンメイクとされているからだ。限られた範囲内でのマシンセッティング、ドライバーのスキル、チームの採用する作戦、さらにはピットクルーたちの作業によって小さな差が生まれる。それらを活かした戦いをハイレベルで完成させることのできたドライバー、そしてチームが勝利を収めるのだ。

 昨年、インディカーシリーズはマニュファクチャラー・エアロを廃止し、スペックエアロを採用した。マシンはハイダウンフォースからローダウンフォースへと性格が一変。このドラスティックな変化にベテラン勢が戸惑うなか、豪快なドライビングを見せるルーキーたちがシーズン序盤を席巻する。しかし、ベテラン勢もマシンの特徴をつかむのにつれて戦いぶりが安定した。

 第6戦のインディ500を終えて6月に入ると、トップ5は、2014年チャンピオンのウィル・パワー(チーム・ペンスキー/シボレー)、2016年から参戦しているアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート/ホンダ)、2017年チャンピオンのジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)、2003、2008、2013、2015年チャンピオンのスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダ)、2012年チャンピオンのライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)に。ロッシ以外はタイトル獲得経験者というメンバーによってチャンピオン争いが繰り広げられた。