ホンダF1・モータースポーツ部長に聞く。今季優勝できますか? (5ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

「去年クリスチャン(・ホーナー代表)に案内してもらったんだけど、席同士が近くて、すごい密度感で。案内している途中にも、クリスチャンが『あの設計はどうなってる?』と聞いてエンジニアが答えてたり、笑いもあるし、雰囲気がすごくいい。広くあるべきところは広くしているけど、集約すべきところは集約して、無駄がない。レースチームらしいんです」

 まずは、2月18日に始まるバルセロナ合同テストでどんな走りを見せ、どんなプログラムをこなし、データ収集と分析につなげることができるか。レッドブルと組むからには、テストから情けない姿を見せるわけにはいかない。

「たくさんテストをこなして、上位にいること。毎日タイムが出て、リザルトとして結果が出ますからね。あくまでテストであって、タイムがすべてではないとはいえ、そのリザルトがなんとなくシーズンを色づけるじゃないですか? だから、今年は(テストから)ホンダもがんばって、さきほど言った20kW差まで肉薄していければ」

 モナコGPでのレッドブルのモーターホームは、巨大すぎてパドックに入らず、港の水面上に豪華客船のように係留される。そこには、ウッドデッキやプールまである。そして、モナコで勝ったあかつきには、ドライバーや首脳陣がそこに飛び込むというのが習わしだ。

 今年はそこに、山本部長をはじめホンダの面々の姿があるかもしれない。

「飛び込みたいですね(笑)。僕としては、ウチのスタッフたちに『F1で勝つってこういうプロセスなんだ』ということを早く味わってもらいたいんです。そこを学んで積み重ねていけば、車体との相乗効果もさらに高くなる。とにかく今は、バルセロナ合同テストでしっかりとやり切ること。その結果によって、オーストラリアからどう戦っていくかが決まると思っています」

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