「SUGOの魔物」にホンダが飲み込まれ、昨年GT王者が乱戦を制す (2ページ目)

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro
  • 吉田成信●撮影 photo by Yoshida Shigenobu

「スタートするときはドライでもなければウエットでもなく、非常に難しいコンディション。僕たちはハード目のウエットタイヤを選択したが、結果的にそれがベストなチョイスだった」(コバライネン)

 29周目には3番手に浮上し、その後2台に抜かれて5番手に下がるものの、直後の41周目に後方でアクシデントが発生して2度目のセーフティカー導入となる。46周を終えたところでレースが再開されると、3番手を走っていたWAKO'S 4CR LC500(ナンバー6)はピットインするが、1号車は先行するRAYBRIG NSX-GT(ナンバー100)、Epson Modulo NSX-GT(ナンバー64)、MOTUL AUTECH GT-R(ナンバー23)の3台とともにコース上にとどまる選択をした。

 1号車はなぜ、コース上にとどまる判断をしたのか――。レース後に話を聞くと、そのとき先行していた6号車とはピットが隣同士で、彼らと同時にピットインすると自分たちの作業スペースが十分に確保できず、余計なタイムロスが生じるリスクを考えたという。SUGOは他のサーキットと比べてピットレーンが狭く、過去にはレース中にほぼ全車が同時にピットインし、大混乱になったこともある。

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