スーパーフォーミュラ開幕。本気の小林可夢偉「僕は逃げませんよ」 (5ページ目)
右リアタイヤのホイールナットが締まりきっておらず、長い鈴鹿をスロー走行で1周し、ピットへ戻らざるを得なかった。最後はシケインでついにタイヤが外れ、3輪走行になりながらなんとかピットへ戻ったころには、トップから2周遅れになっていた。
タイヤを履き直してコースへ。残り30周は実戦テストと割り切って走るしかなかった(結果は16位)。
コース上でのバトルや順位の入れ替わりがほとんどないまま、レースは山本の優勝で終わり、F1バーレーンGPで入賞して注目されたストフェル・バンドーンは3位表彰台に立った。結果は別としても、内容そのものはファンにとって退屈なレースだったかもしれない。
もし可夢偉がトラブルなく走っていれば、中団から上位へと、ファンを沸かせる快走を見せていたかもしれない。
「タイヤを換えて内圧も調整して、マシンのペースはバッチリでした。ピットストップでジェームス(・ロシター)の前でコースに戻って、そこから追い上げてコース上で何台か抜いてたと思いますよ。ホンダは速かったけど、うまくやれば"食える"予感はしました。他のバトルがどうやったかはわからへんけど、少なくとも僕はそのポテンシャルは感じました。予選ではまだセルモのほうが頭ひとつ抜け出してるかなっていう感じやけど、レースではたぶんトヨタ勢で一番速かったんじゃないかな」
チームのピット作業ミスが僚友のナレイン・カーティケヤン車にも起きたこともあり、レース後のピットガレージ裏では張り詰めた雰囲気のなかで緊急ミーティングが行なわれた。
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