ホンダ勢トップの佐藤琢磨。インディ第3戦は「望み得る最高の成績」 (4ページ目)

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano  松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 さらに67周目、もうひとつの強豪チームであるチップ・ガナッシ・レーシングで走るトニー・カナーンを琢磨はパスした。「相手がヘアピンで一瞬リヤを滑らせた、その瞬間にプッシュトゥパスのボタンを押していた」と琢磨。オーバーテイクの少なかった今年のロングビーチだが、琢磨は上位陣のバトルの中でそれを一度だけ実現した。
 
 5位となり勢いに乗った琢磨が次に迫ったのは、開幕戦ウィナーのファン・パブロ・モントーヤ。こちらもチーム・ペンスキーのドライバーだ。琢磨はカナーンを抜いた後に彼との差をすぐさま縮めたが、オーバーテイクの決定的チャンスはとうとう最後まで訪れなかった。

 燃費の厳しい状況だっただけに、勝負どころを見つけたら一度で相手を仕留めなくてはならない。防戦一方となっていたモントーヤだったが、巧みにオーバーテイク・ラインを潰して走り、2台はテールトゥノーズのまま重なるようにゴール。その差は0.0756秒しかなかった。

4 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る