ホンダ勢トップの佐藤琢磨。インディ第3戦は「望み得る最高の成績」 (2ページ目)

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano  松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 タイヤの仕様の変化、新型マシンへの移行など、ドライバーとチームは毎年何かしら新しい技術に対応し、マシンを最適化する作業に追われる。今年は、昨年導入されたエアロキットのバージョンアップが行なわれた。ホンダは昨シーズンの16戦で6勝。シボレーにアドバンテージありとの判断から、今シーズン向けのホンダのエアロキットはより大きな変更を施すことが許された。つまりは、ライバル陣営より大きな変化に対応しなければならないのだ。

 予選の前に行なわれたプラクティスは3回。最初の1回目には5番手のタイムを出した琢磨だが、その後の2回は中団グループに埋もれた。しかし、予選では8位に。予選はシボレー勢がトップ6を独占。7位がホンダ勢トップのジェームズ・ヒンチクリフ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)で、琢磨がそれに続いた。

 プラクティスの後、琢磨は自分とチームメイトの走行データをエンジニアたちと見直し、長い議論の末にまったく新しいセッティングに行き着いた。予選でのマシンは見違えるようにコーナーでの安定感が増しており、8位を得ることができたのだった。

 それでもまだ琢磨は自分のマシンに満足していなかった。土曜日のエンジニアとのミーティングも、パドックのトランスポーターの中で夜遅くまで続いた。インディカーのロードレースでは、ソフトとハードの2種類のタイヤが供給され、それらを両方ともレースで使わなければならないのだが、予選までの琢磨は硬い方のブラック・タイヤでの走りに納得がいっていなかった。

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