新たに就任したホンダF1総責任者「長谷川祐介」とは何者か? (6ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki  桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 レースは勝たなければ意味がない。それが長谷川の信念だ。

「F1参戦までの準備期間の短さなど、苦戦の理由はあります。しかし、それを言い訳にしてはいけない。我々は追いつき、追い越さなければならないんです。それをやる気がないのなら、もしくはそれができないのなら、F1をやるべきではないんです」

 長谷川の言葉には、派手さはなくとも説得力がある。技術者らしい実直な言葉は、安心して聞いていられる。

「自由という言葉が当てはまるかどうかはわかりませんが、自分で決めることがすべてマクラーレン・ホンダの勝利に影響するんだ、というふうに思っていますから、勝っても負けても自分の責任だという意識のほうが強いですね。責任の大きさを痛感しています」

 総責任者という立場になった今、長谷川はすべてを思い通りに操ることができる。しかし、現場に近いホンダの新しい総責任者は、権力を振りかざすのではなく、自分に与えられたすべてを勝利のために捧げようとしている。

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