11頭が1億円超えの高値で落札されたイクイノックス産駒 間近で見た識者が語る「意外な評価」 (2ページ目)
事実、キタサンブラックの種付け料は、初年度が500万円。翌年が400万円で、4年目には300万円まで下がっていた。しかし昨年から、一気に国内最高額の2000万円まで跳ね上がった。現在これと同額なのは、キズナとイクイノックスだ。
さて、肝心のイクイノックスの産駒について話を戻そう。実際のところ、初年度産駒の評価はどれほどのものなのか。木村記者が同産駒の率直な印象を語る。
「(祖父の)キタサンブラックっぽいところが出るのかと思っていたら、脚の長さのバランスなどは思ったよりもイクイノックスが出たなぁ、という印象です」
そのことについては、セレクトセールに立ち会った、あるクラブ馬法人のスタッフも同意見で、「(イクイノックス産駒は)キタサンブラックとはまた違ったスラッとした形で、イクイノックスのような成長曲線がイメージできます」と語っていた。
同スタッフは続けて、セールでの同産駒の高評価の要因についてこう語る。
「イクイノックス自身、過去最高レベルの競走成績を残していることに加え、2歳時からも高い競走能力を発揮。スピード競馬にも対応できていたことも大きいと思います。
あとは、こういった展示やセリにかけられている時に、(イクイノックス産駒は)パレードリング(パドック)でしっかり立てていました。そうした様子から、かなり扱いやすいと受け止められたことも高い評価につながったのではないでしょうか」
となれば、デビューを飾る2年後が楽しみだが、今回取引された各馬は期待どおりの活躍を見せられるのだろうか。木村記者は、こんな見解を示した。
「今回高値で取引された馬は、どれもバランスのいい馬、という印象です。ただ、父親のように爆発的な成績を残すのは、(現状で)万人受けするような、みんながみんな『いい馬』と思う馬体のタイプではなく、少し特殊な馬のような気がします。
言葉にするのは難しいのですが、キタサンブラックやイクイノックスが若い頃はゆるい印象だったのが、古馬になってからしっかりしたような、そんなタイプが活躍するのではないでしょうか」
2年後、絶大な注目を集めるであろうイクイノックス産駒。いきなりターフを沸かすような"大物"が登場するのか。その動向から目が離せない。
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