【競馬予想】GIジャパンカップに挑む評判の外国馬――本気で勝ちに来たのはどの馬だ (2ページ目)
もうひとつは、これまでに4回ある5着以下のうち、3回が2400m戦(2410m、2390m戦も含む)ということ。そのうち2回は、10着(10頭立て)、12着(12頭立て)。負けるにしても、負けすぎの感がある。
その点について、同馬を管理するエイダン・オブライエン調教師はこう説明する。
「大きく負けてしまうときは、騎乗している(ライアン・)ムーア騎手が判断して、次のことを考えてダメージが残らないように無理をしていないだけ」
また、オブライエン厩舎は、ドバイやアメリカなどに遠征した際、日々の調教のルーティンを変えることはほとんどない。芝のレースに出走する馬でも、ダートだけで調教するのが通例だ。しかし今回、オーギュストロダンは芝での調教も行なった。そんな"らしくない"調整過程も引っかかるところだ。
それでも、ジャパンカップに向けて「オーギュストロダンはこれが引退レースなので、(ムーア騎手も今回は)"次"のことを考えずに乗ってくれるでしょう」とオブライエン調教師。突出した実績が示すとおり、あらゆる不安も圧巻の走りで一掃。有終の美を飾っても、何ら驚きはしない。
このオーギュストロダンを前々走のキングジョージ6世&クイーンエリザベスSで下したのが、ゴリアットだ。
今年の春頃までは、一介の重賞馬にすぎなかったが、今年5戦目となるキングジョージ6世&クイーンエリザベスSで一変。のちに凱旋門賞を制すブルーストッキングを2着に退けて、オーギュストロダンも大差をつけての5着に振り払った。
同レースは、ヨーロッパの競馬にありがちなスローの追い比べではなく、日本のレースのようにペースが流れての一戦だっただけに、ジャパンカップに向けても好印象。馬場適性も良重兼用で、日本のレース展開、日本の馬場にもきっちりアジャストしても不思議ではない。
せん馬のため、凱旋門賞出走の資格がなく、早くからジャパンカップ挑戦を明言していたことも強調材料だ。
唯一の不安は、キングジョージ6世&クイーンエリザベスSの勝ち馬がジャパンカップでは振るわないこと。同年に同レースを勝ってジャパンカップに臨んだ馬は、ベルメッツ(1990年7着)、ペンタイア(1996年8着)、ゴーラン(2002年7着)、コンデュイット(2009年4着)と苦戦している。
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