有馬記念、過去データから浮上する穴馬は「牝馬」「3歳牡馬」「GI3勝以上の引退表明馬」 (2ページ目)

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 次に注視したいのは、3歳牡馬だ。

 こちらも牝馬同様、ここ最近の有馬記念で際立った強さを見せている。実際、過去10年で9頭が馬券圏内に入っているが、そのうち6頭が直近5年に集中。3頭が勝利を飾っている。まさに"3歳牡馬優勢"のトレンドは上昇曲線を描いており、今年も積極的に狙っていきたいところだ。

 今回の出走馬には、ソールオリエンス(牡3歳)とタスティエーラ(牡3歳)の2頭がいる。前者が皐月賞馬(ダービー2着、菊花賞3着)で、後者がダービー馬(皐月賞2着、菊花賞2着)であり、どちらも勝ち負けを演じる可能性は高い。

 しかしながら、過去10年の結果をあらめて振り返ってみると、その年のダービー馬が有馬記念で馬券に絡んだことは一度もない。単純に出走頭数が少ないこともあるが、皐月賞馬や菊花賞馬が勝っていることを考えると、見逃せないデータと言える。

 その点を重視するなら、タスティエーラよりも、ソールオリエンスのほうを上に見たい。

 最後にピックアップしたいのは、この舞台を最後に引退するGI馬、それもGI3勝以上の実績を持つ馬だ。

 有馬記念では古くから、GIで数々の激闘を繰り広げてきた名馬が有終の美を飾るシーンが見られてきた。ここ10年においても、2013年のオルフェーヴル、2014年のジェンティルドンナ、2017年のキタサンブラック、2019年のリスグラシューらが、現役ラストランで見事な勝利を披露してきた。

 そして、これらの馬たちに共通しているのが、それまでにGI3勝以上を挙げていたこと。それからすると、今回が引退レースとなるタイトルホルダー(牡5歳)は無視できない存在となる。

 同馬は、GI菊花賞(阪神・芝3000m)、GI天皇賞・春(阪神・芝3200m)、GI宝塚記念(阪神・芝2200m)と、GIで3度栄冠を獲得。今年はGI勝ちこそないものの、春にはGII日経賞(3月25日/中山・芝2500m)を勝って、前走のGIジャパンC(11月26日/東京・芝2400m)でも5着と善戦し、極端な衰えは見られない。

 自らが主導権を握ってレースを進められれば、"名馬"として華々しいフィナーレを飾ってもおかしくない。

 これまでにも、さまざまなドラマが生み出されてきた有馬記念。今年はどんな名シーンがファンの心に刻まれるのか。好メンバーが集った白熱の戦いから目が離せない。

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