七夕賞はハンデに恵まれた実力馬2頭の激走に注意 高額配当が飛び出すか

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Yasuo Ito/AFLO

 夏の福島の名物重賞、GIII七夕賞(福島・芝2000m)が7月9日に行なわれる。

 昨年は6番人気の伏兵エヒトが勝利。3連単は4万円弱の好配当をつけたが、七夕賞の歴史を振り返ると、低配当の部類となる。それだけ、同レースは"荒れる"重賞と言える。

 実際、過去10年の3連単の配当を見ても、10万円超えの高配当が6回もあり、そのうち2回は100万円超え。2015年に100万6440円、2018年に256万3330円という高額配当が飛び出している。

 そうした傾向からすると、馬券検討のうえでは"波乱が起こる"前提で考えたほうがいいだろう。

 波乱となる要因のひとつが、ハンデ戦であること。過去、軽ハンデの人気薄が何度となく馬券圏内(3着以内)に突っ込んできていることを考えれば、そのことはよくわかる。そして今年も、その可能性は大いにあり得る。日刊スポーツの木南友輔記者が言う。

「先週の東西重賞はともにハンデ戦でしたが、年明けからの定量増に伴う全体的な負担重量増を感じるハンデ設定でした。その結果、重いハンデを背負った馬にはつらいものになりました」

 木南記者が言うとおり、今年から平地レースの基礎負担重量が基本的に1kg増加。これによって、ハンデ重賞でも同じ措置が取られ、たとえば昨年までなら57kgで出走できた馬が今年は58kgでの出走となる。重いハンデを背負わされるほど、受ける負担は大きく、そういった馬たちが苦戦を強いられるのは当然のことかもしれない。

 ところで、その木南記者だが、昨年はこの七夕賞でエヒトに◎を打って見事に的中。「(追い切りの)坂路での時計の出方が異常でした。エヒトの母ヒーラにも乗っていた鞍上の田中勝春騎手ともその話をしていたこともあって、レース後には勝春騎手とがっちり握手。昨年一年間を振り返っても、会心の予想でした」と振り返る。

 その昨年の覇者エヒト(牡6歳)は、今年も出走。木南記者はどう見ているのか。

「昨年ほどではありませんが、今年もエヒトは稽古でよく動いています。ただ、ハンデ58kgという点から、◎は打ちづらいところです。先週のGIIIラジオNIKKEI賞も、◎を打ったバルサムノート(4着)でいけると思ったのですが、最後に伸びきれませんでした。直線の不利だけじゃなく、やはり(トップハンデの)57kgを背負っていた影響もあったと思いますから......」

 そこで、木南記者は先にも触れたようにハンデ面を重視。2頭の穴馬候補を挙げる。

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