「本当の平成最後のGI」香港の2レースで本命を突き崩す注目馬は? (2ページ目)

  • 土屋真光●文・撮影 text & photo by Tsuchiya Masamitsu

 そして正真正銘の平成最後のGI、クイーンエリザベス2世C(沙田・芝2000m)は、地元香港で2つのGIを含む3連勝中のエグザルタント(せん5歳)、昨年のGI香港カップ(沙田・芝2000m)2着のディアドラ(牝5歳)、GI香港ヴァーズ(沙田・芝2400m)2着のリスグラシュー(牝5歳)の3頭が、日本のオッズでは人気になると考えられる。

 ディアドラはGIドバイターフ(UAE/メイダン・芝1800m)で4着。リスグラシューは今年初戦のGII金鯱賞(中京・芝2000m)でダノンプレミアムに次ぐ2着と、それぞれ前走をいい形で使ってきているだけに、かなりの人気になるのは間違いない。

 しかし、ここはあえて日本の"第3の馬"ウインブライト(牡5歳)を穴で狙いたい。日本のオッズではおそらく4~5番人気だと思われるが、ディアドラも出走したGII中山記念(中山・芝1800m)を1分45秒5の好タイムで勝利している。目下の充実ぶりからも、本来ならもっと上位の人気でもおかしくない。

現地で調整を行なうウインブライト現地で調整を行なうウインブライト これまでの重賞5勝はすべて右回り。GIを除けば右回りの重賞ですべて連対しており、8着だった2017年4月のGI皐月賞(中山・芝2000m)は0秒5差、9着だった昨年11月のGIマイルチャンピオンシップ(京都・芝1600m)も0秒4差と、大きくは負けていないのだ。

父ステイゴールドは引退レースである2001年の香港ヴァーズで有終の美を飾り、母の父アドマイヤコジーンも同年のGI香港マイル(沙田・芝1600m)で僅差の4着と、コース適性の血を両親から引いている点も魅力。さらに、香港勢のタイムワープ(せん6歳)とグロリアスフォーエバー(せん5歳)、イギリスのエミネント(牡5歳)が引っ張る流れを追走する展開になりそうなのも、ウインブライトにとっては利のほうが大きい。

 さらにもう1頭、穴馬として推奨したいのが香港のイーグルウェイ(せん6歳)だ。昨年のこのレースも現地で22倍、日本のオッズで62.5倍の人気薄ながら3着に突っ込み、波乱を演出した。同馬は、昨年10月のGIIシャティンT(沙田・芝1600m)では211倍で3着、前走のGIIチェアマンズT(沙田・芝1600m)も46倍で2着とたびたび波乱を演出している。

 ムラっ気が多く、今回も人気にならないのは確実。しかし昨年11月には、GIIジョッキークラブC(沙田・芝2000m)をコースレコードで勝っているように、目下の充実ぶりは特筆すべきものがある。前走も単に1600mという距離が嫌われただけのこと。距離が延長されるクイーンエリザベス2世Cで、昨年の再現、あるいはそれ以上の結果も期待できそうだ。

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