「打倒ソウルスターリング」の有力候補はフィリーズレビュー組にいる

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Nikkan sports

 およそ1カ月後に迫った、3歳牝馬クラシック第1弾のGI桜花賞(4月9日/阪神・芝1600m)。その行方を占う最重要ステップレース、GIIIチューリップ賞(阪神・芝1600m)が3月4日に行なわれた。

 最も注目されたのは、GI阪神ジュベナイルフィリーズ(2016年12月11日/阪神・芝1600m)を無傷の3連勝で制し、2歳女王となったソウルスターリング(父フランケル)。彼女の成長ぶりと、クラシック本番に向けて彼女がどのような"試走"を見せるかに熱い視線が注がれた。そしてもうひとつ、このソウルスターリングを脅かす存在が現れるのかどうかが、レースの焦点となった。

 結果は、ソウルスターリングの圧勝だった。阪神JFの2着馬で「打倒ソウルスターリング」の有力候補と見られていたリスグラシュー(父ハーツクライ)は、3着を確保するのが精一杯。まさにソウルスターリングの強さばかりが際立つレースとなった。

 この結果を受けて、デイリー馬三郎の吉田順一記者はソウルスターリングの強さに脱帽。今年の3歳牝馬路線について、ため息まじりにこう分析した。

「2歳時から言われているように、今年の3歳牝馬はハイレベル。そんな中、王道のローテーションと言えるチューリップ賞で、阪神JFの1、2着馬が早くも直接対決することになりました。馬体重は2頭とも4kg増でしたが、阪神JFから全体時計を楽にコンマ8秒も縮め、2着馬に2馬身差をつけたソウルスターリングの成長力が、リスグラシューを完全に凌駕していました。ソウルスターリングが絶対的な"主役"に浮上したと言っていいでしょう。自分との戦いに負けることがなければ、チューリップ賞組にリベンジされることはないと思います」

1 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る