兄の無念はボクが晴らす!サトノクロニクルがダービー制覇に名乗り (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

「サトノクロニクルに対する池江厩舎の評価は、かなり高くて、間違いなく走ってくる1頭でしょうね。初めて長めから追い切った調教でも、水準以上の時計を出して、足取りもしっかりしていました。デビュー戦においても、ただ勝つことに終始するのではなく、課題を与えて臨むのではないでしょうか。それだけ、高いレベルのようです」

 今やトップ厩舎として数々の活躍馬を輩出している池江厩舎。そのスタッフたちが力を込めているとなれば、注目せずにはいられない。

 兄サトノラーゼンも管理している同厩舎。兄弟の比較ではどのように見ているのだろうか。先述のトラックマンが続ける。

「ラーゼンは3歳春になってようやく成績が上向いてきましたが、クロニクルに関しては『最初から動ける』とのこと。現段階では『兄より完成度が高い』と言っています。さらに、兄はジワジワと伸びるタイプでしたが、『弟はいかにもキレそう』と、スタッフからは歯切れのいいコメントがどんどん出てきます。カイ食いもよく、いたって順調。能力をきちんと出せれば、デビュー戦は確実に突破できるのではないでしょうか」

 注目のデビュー戦の予定は、12月18日(日)の2歳新馬(阪神・芝1800m)。鞍上は川田将雅騎手が務めるという。

 年の暮れが迫る中、続々とデビューしている素質馬。その中でも、サトノクロニクルはクラシックの最有力候補に名乗りを上げることができるのか。兄が果たせなかった大いなる夢実現へ向けて、初陣から圧巻の走りを見せてくれることを期待したい。

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