【競馬】いよいよ凱旋門賞! 日本馬3頭が「順調」な理由 (2ページ目)

  • 土屋真光●取材・文 text by Tsuchiya Masamitsu

 欧州の大手ブックメーカーもこの参戦に敏感に反応。軒並み10~14倍という、ゴールドシップ(牡5/須貝尚介厩舎)とほぼ同等のオッズをつけたあたりに多少の迷いも感じられるが、3歳になって5戦1勝、前走がブービー負けの馬という成績から考えれば、それだけ能力への期待の表れだといえよう。

 強力なライバルの追加参戦が明らかとなった一方で、日本から遠征の3頭は、10月1日の追い切り後も順調に調整が続けられている。
 
 ゴールドシップとジャスタウェイ(牡5/須貝尚介厩舎)の同厩舎2頭は、追い切り翌日は厩舎周辺での引き運動が1時間行なわれた。

「気合が入っていながら、リラックスもできている。疲れも見られないし、カイバ食いもいいです。ここまで順調に来ていて、最高の仕上がり」(須貝調教師) と指揮官は2頭の状態に満足そうだ。

森の中で引き運動。ジャスタウェイ(手前)とゴールドシップはリラックス(代表撮影)森の中で引き運動。ジャスタウェイ(手前)とゴールドシップはリラックス(代表撮影)

 前日の追い切りはシャンティイの調教施設ではなく、山を1つ越えた向こう側にあるシャンティイ競馬場の芝コースを使用して、2頭の併せ馬で行なわれた。滞在する厩舎から競馬場までは馬運車を使わず、シャンティイの森の中の5キロほどの道のりを歩いていったという。見慣れない環境にも動じず、また、競馬場こそ違うが同様の芝質での試走ができたことの収穫は大きい。

 片やハープスター(牝3/松田博資厩舎)は、追い切り翌日、ラモルレイ調教場のダート周回コースで1000メートルの軽めのキャンターで、翌々日も同コースで2000メートルをゆったりと調整された。他の馬が近くにくると、少し気合を表に出す素振りもあるそうだが、概(おおむ)ねリラックスした様子だという。また、翌日の調教中に入れて、タグルーダと前売りオッズで1、2番人気を分け合っているエクト(フランス牡3歳)とニアミスする瞬間もあった。「優雅に走っていたよ」という松田調教師の目には、ライバルも非常にリラックスした状態に見えたようだ。

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