【木村和久連載】コスパが大事とされてきたゴルフ。今後はZ世代が重視するタイパも考えるべきなのか (3ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 平日1万円程度のコスパコースにおいて、よりタイパを重視するのあれば、コースを予約する前にネットの書き込みをチェックするのがいいでしょう。「やたら待たされた」「ショートの手前に2台もカートが停まっていた」など、忖度なしのコメントが書かれていますから。それを見て、コース選びするほうがいいかもしれませんね。

 タイパに対する捉え方ですが、実は競技に出ている人、すなわち上級者ほど寛容です。競技慣れしている人は、待たされることに慣れているのです。

 競技は"OKパー"がありませんから、単純計算で4人が毎ホール一打ずつ余計に打つわけです。18ホールだと、通常のOKありのラウンドより、4人で70打ぐらい増える計算になります。

 しかも、競技ゆえ真剣勝負。パッティングのライン読みも慎重にするので、時間がかかります。過去、私が参加した競技ではハーフ3時間なんてのもありました。そのうえ、上位に入賞しようものなら、表彰式にも出席しないといけません。ほんと、一日仕事なんですね。

 個人的には、ゴルフは丸一日かけてやるものと理解しているので、日没でプレー不能にならなければ、まあいいかなと。

 昔は日が暮れると、グリーン上は懐中電灯で照らされたり、車のヘッドライトを当たられたりするなかで、パットをしたものです。今は、そこまで無理やりプレーさせるところはありません。冬至あたりを迎えると、最終スタートが10時すぎくらいに設定されます。それがギリギリでしょうな。

 一部コースでは、「日没ゴメン」と最初から断りを入れて、かなり安いラウンドを提供しているところもあります。1ホールだけ暗くなってプレーができなかったとしても、「安かったからいいか」と本人が納得すれば、問題ないですからね。

 そうしたなか、今後台頭してくるタイパ好きなZ世代のラウンドを考えると、コロナ禍で広まったスループレーはありだと思います。他、9ホールのラウンドとかね。ひょっとすると、ゴルフに丸一日かけない風潮になるかもしれません。

 バブルの頃のゴルフでは、千葉の近郊コースに行って、コネを使って7時半ぐらいにスタートしてスループレー。お昼を食べても、都心の会社に午後2時ぐらいには出社できると言って、自慢する人がいました。効率的とは思いますが、なんか部活の朝練みたいで、楽しく感じないんですよね。

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