西村優菜ら今季の顔が上位で火花。百花繚乱の女子ツアーで誰が抜け出すか (2ページ目)

  • 柳川悠二●取材・文 text by Yanagawa Yuji
  • photo by Getty Images

 2001年度生まれの『新世紀世代』となる笹生と、2000年度生まれの『ミレニアム世代』の西村を1打差で追うのは、1998年度生まれの『黄金世代』の先駆者である勝みなみだ。

 アップダウンの激しいコースに対し、好スコアの要因について訊ねられた勝は、「バンカーが調子いい」ことを真っ先に挙げた。

「バンカーに入っていれば、なんとかなる気持ちで打てるので、すごい気がラクです。バンカーからスピンをかける打ち方もうまくなってきたので、それで寄せたり、距離感も感覚でつかめるようになってきた。バンカーショットには今、自信があります」

 現時点で、勝は今大会で約300万円の賞金を稼がなければ、今年最後のJLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップに出場できない立場にある。

「一年の最後をここで迎えるのと、宮崎で迎えるのとでは違います。地元(鹿児島)も近いですし、毎年応援にたくさんの人が来てくださっていたので。今年は応援に来られなくても、気持ちは近くに感じると思う」

 さらに、勝と同じ3位タイで決勝ラウンドに臨むのは、前週に今季2勝目を挙げた20歳の古江彩佳だ。

「(連戦の疲れについては)昨日もちゃんと寝られたから大丈夫です。同世代の選手たちががんばっているのは、自分もがんばらないといけないなと思わせてくれます。上が伸ばしているかどうかは気にせず、自分ががんばるだけ」

 大きな注目を集める渋野は、前日に「鬼門」と語っていた2日目に2つスコアを落として通算1アンダー、順位も20位タイに後退した。前半でふたつのボギーを叩くと、ハーフターンの休憩時にロッカールームで自らの拳で頭を叩いて自身を鼓舞したという。

 黄金世代以下の若手が上位で躍動し、否応なしに世代間闘争の様相が色濃くなっている。コロナ禍によって、来年末まで続く長いシーズンも節目を迎え、百花繚乱の女子ゴルフ界から抜け出すゴルファーは現れるのだろうか。

◆谷原章介がゴルフショップで見て体験して実感した最新クラブの性能
第1弾


第2弾


ゴルフ情報ウェブマガジン「Good Golf Life」誕生>>

2 / 2

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る