【ゴルフ】選手たちが語る「アン・ソンジュの強さ」 (3ページ目)

  • 金明昱●文 text by Kim Myung-Wook
  • 小内慎司●撮影 photo by Kouchi Shinji

 今季好調の原江里菜(27歳)も、吉田の意見に同調する。技術の高さこそ、アン・ソンジュの強さの源であり、そのプレイぶりには「隙がない」と言う。

「(アン・ソンジュは)ショットやパットの技術レベルが、(他の選手とは)違うと思います。しかも、プレイ中は絶対に隙を見せないですよね。勝負どころで確実にいいショットを打ってくる。そう思いませんか? やっぱり、それを支えているのは、技術だと思うんです。

 例えば、左足下がりやつま先下がりとか、ボールがディボットにあるとか、状況やライが悪くても、それに適応できる高い能力がある。いい場所からいいショットをするだけでなく、条件が悪くても、大きなミスをしないのが、彼女の強さですよ。難なく、バーディーチャンスにつけてくることさえありますから。そういうところで、スコアに差が出てくるんですよね。悔しいけれど、その点は、他の選手にはないところだと思います」

 さらに、原が続ける。

「アンちゃんには、何を聞いても、すぐに明快な答えが返ってくるんですよね(笑)。というのは、一緒に練習ラウンドをしていて、左足下がりのショットが苦手な私が『どうやって打っているの?』ってアンちゃんに聞くと、『こう打てばうまくいくよ』って、即座に教えてくれるんです。どんな状況にあっても、自分なりの対処法があって、ベストな回答がわかっているんでしょうね。だから、強いんだと思います」

 アン・ソンジュ自身は、今季の強さについて、6月から交際している男性の存在を上げる。韓国プロゴルフ協会の会員で、レッスン指導をメインに活動しているキム・ソンホさんである。アン・ソンジュが、「私の気持ちをよく理解してくれる人」と言って、メディアの囲み取材でも自ら語り始めて、のろけ話を展開するほどだ。

 何はともあれ、公私ともに順調なアン・ソンジュ。一緒に戦う選手たちが、その強さに“お手上げ”という今、3度目の賞金女王の座に就くのは、時間の問題と言えそうだ。

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