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【ワールドカップ】「カネと権力が好き」と批判殺到のFIFA会長を直撃「辞任するつもりですか?」 返答は無言の親指 (2ページ目)

  • 取材・文●サム・クンティ text by Sam Kunti 翻訳・構成●井川洋一 translation by Yoichi Igawa

【フットボールは彼らのものではない】

 また過去にリバプールなどを率い、次期ドイツ代表監督のユルゲン・クロップは、次のように話している。

「フットボールは私たち人々のものであって、彼らのものではない。もしトランプとインファンティーノが彼らだけでこの決定をしたのなら、本当に狂っている」

 現役の指揮官からも不満の声が上がり、ノルウェー代表のストーレ・ソルバッケン監督は「FIFAの大きな過ちだ」と切り捨てた。

 今回の北中米ワールドカップは最初から最後まで、疑惑に事欠かなかった。アメリカにおけるトランプ政権の強硬な反移民政策はこの大会に関わる人々にも及び、アフリカ最高の主審のひとりソマリアのオマール・アルタンの入国が認められず、セネガルやウズベキスタンの代表チームは入国審査で執拗な取り調べを受けた。

 イランに至ってはアメリカでの滞在が許可されず、試合の直前にメキシコから入り、その日のうちにまたメキシコに戻るという、大きな不利を被った。

 大会そのものは、極めて商業的なものとなってしまった。法外な値段の観戦チケット、ハイドレーション・ブレイクという名のコマーシャル・ブレイク、スーパーボウルを真似たような決勝のハーフタイムショー......。およそ11分にわたって行なわれたショーは趣味を疑ってしまう類のもので、元イングランド代表FWウェイン・ルーニーは「(出演した)アーティストは好きだけど、ショーはひどいものだった」と英国の中継で率直に語った。

 また、インファンティーノ会長は昨年末、ノーベル平和賞を狙っているトランプ大統領に、わざわざFIFA平和賞を新設し、その"栄えある初代受賞者"として授けてもいる。その後、トランプ政権はベネズエラのニコラス・マドゥーロ大統領の官邸を爆撃したあとに取り押さえたり、イランの小学校に爆弾を落として150人以上の子どもたちの命を奪ったりしている。

 ただ、フットボールというスポーツの本質である公平性を損なったという点では、バログンのケースが極めつきだろう。こんなことが認められるようになってしまえば、スポーツのルールは形骸化してしまう。世界中で観戦している子供たちに、どう説明すればいいのか。

 UEFAはこれを受け、以下の公式声明を発表した。

「昨日、フォラリン・バログン選手へのレッドカードに伴う1試合の出場停止処分が、1年間の猶予付きで停止するという決定は、一線を超えるものだった。フットボールは他のスポーツと同様にルールを必要としており、それが公正で誠実かつ透明性のある競技の基盤となっている。(中略)当連盟はこのような前例がなく理解不能で正当化できない決定に対し、強い不信感を表明する」

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