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ワールドカップで目立つ巨大で豪華なアメリカのスタジアム 32年前の大会から大きく様変わり (2ページ目)

  • 後藤健生●文 text by Takeo Goto

【ロサンゼルスの巨大スタジアムたち】

 日本代表がグループリーグで2試合を戦うダラスのAT&Tスタジアムなどもそうだが、最近のアメリカではアメリカン・フットボール用の巨大で豪華なスタジアムの建設が続いている。

「さすが、スポーツ大国」である。

 しかし、32年前にアメリカW杯が開催された頃、様相はまったく違った。巨大ではあるが旧式なスタジアムばかりで、僕は「アメリカはスポーツ大国のはずなのに」と驚いたのである。

 1994年大会の決勝戦はロサンゼルス郊外パサデナにあるローズボウルで開催された。

 イタリアが2戦目の負傷から復帰したDFフランコ・バレージ率いる守備でブラジルを完封。しかし、PK戦では攻守の中心、バレージとロベルト・バッジョが失敗してブラジルが優勝を飾った。

「ローズボウル」の「ボウル」は、「サラダボウル」という時の「ボウル」と一緒だ。すり鉢状のスタンドを食器の「ボウル」に喩えた表現で、こうした形状のスタジアムが「ボウル」と呼ばれる。また、カレッジ・フットボールの重要な試合は各地の名産品の名を使って「〇〇ボウル」と呼ばれる。たとえば、テキサス州ダラスでの試合は「コットンボウル」(アメリカ南部はコットン=綿花の供給地だった)。日本のXリーグの決勝戦も「ライスボウル」と呼ばれている。

 さて、そのスタジアムとしてのローズボウルは完成が1922年。築100年を超える古いスタジアムだ。

「ボウル」という名の通り、全体がシンプルな一層式のすり鉢状のスタンドで構成されている。収容人員が9万2000人というから、SoFiスタジアムよりはるかに大きい。

 ロサンゼルスにはダウンタウン近くにもメモリアル・コロシアムというやはり9万人超を収容できた巨大スタジアムが存在する(1923年完成・現在は7万7500人収容)。1932年と1984年の夏季五輪のメインスタジアムとなったところだ。

 普段はフットボール専用スタジアムだが、陸上競技場に改装できるのだ。昔のスタジアムはこうした多目的な造りが普通だった。ちなみに、大谷翔平などが活躍しているMLBのドジャースはもともとニューヨークのブルックリン地区にあった球団だが、1958年にロサンゼルスに移転。1962年にドジャースタジアムが完成するまでは、メモリアル・コロシアムを改装して使っていた。

 野球場として使うのは不便だったらしいが、なにしろ9万人を収容するスタジアムだったので、MLBの観客動員記録の多くは現在でもメモリアル・コロシアム時代のものだ。

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