中井卓大、新天地で3戦連続先発 監督からの要求は「ブスケツ、ロドリのように」

  • ムツ・カワモリ●文・撮影 photo&text by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 FIFAの国際Aマッチウィークの期間、各国の1部リーグは休止中だが、2部以下のリーグ戦は開催中。スペインでも各地でリーグ戦が行なわれている。今シーズン、中井卓大がレアル・マドリードからローンで移籍したSDアモレビエタは、9月8日、ホームにヒムナスティック・タラゴナ(以下、タラゴナ)を迎え、プリメーラ・フェデラシオン(スペイン3部)グループ1(3部は地域別に20チームからなるふたつのグループに分かれて行なわれる)の第3節を戦った。

 スペイン北部・バスク地方のビルバオからバスで1時間弱。人口2万ほどのアモレビエタ=エチャノがホームタウンとなるアモレビエタ。ホームスタジアムの「ヌエボ・ウリチェ」は、ビルバオからのバスが到着するバス停から徒歩10分ほどの街外れに位置しており、メイン側にはスタンドがあるが(雨の多いバスク地方ということもあってか、屋根はきちんと設置されている)、あとは通路兼2段分のコンクリートの観客席がピッチの周囲を囲っている、収容3000人の小さなスタジアムだ(ちなみにピッチは公式戦の基準内ではあるものの、105メートル×68メートルの国際標準よりも狭く、102メートル×64メートルとなっている)。

 昨シーズン、2部を19位で終えて3部に降格したアモレビエタは、監督に元スペイン代表選手で、アスレティック・ビルバオで活躍したバスクの英雄でもあるフレン・ゲレーロを監督に招聘した。過去数年にわたり、スペイン代表のアンダー世代の監督として実績を積んできたゲレーロだが、クラブチームの指揮を執るのはこれが初めてだ。

 アモレビエタは降格によって選手を維持できず、ほぼ全員が入れ替わった影響もあってか、プレシーズンマッチを含めここまで格下相手に2勝したのみ。プリメーラ・フェデラシオンでも、第1節は試合終了間際の失点で0-1と惜敗、第2節は同じ降格組のルーゴと0-0で引き分けと、苦しいスタートだった。

新天地アモレビエタで先発出場を続けている中井卓大新天地アモレビエタで先発出場を続けている中井卓大この記事に関連する写真を見る 開幕からの2試合ともにフル出場だった中井は、この第3節も先発メンバーに名を連ねた。ボランチの位置に入った中井は「監督からは(セルヒオ・)ブスケツ(元バルセロナ/現インテル・マイアミ)、ロドリ(マンチェスター・シティ)のようなプレーを求められている」と試合後に語ったとおり、時折見せる長めのドリブル突破をまじえながら、中盤の底から長短織り混ぜて軽快にボールを捌いてチームにリズムをもたらした。

1 / 3

フォトギャラリーを見る

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る