ユーロ2024で"株価急騰"ビッグクラブが触手を伸ばすマイナー国の注目選手3人 冨安健洋のライバルも? (2ページ目)

  • 中山淳●文 text by Nakayama Atsushi

【プレミア、セリエAの有力クラブも触手】

 フランス移民のジョージア人の両親の間に生まれたミカウターゼには、フランス代表を目指す道もあったが、2021年に元フランス代表DFのウィリー・サニョル現ジョージア代表監督が招集をリクエスト。それに応じたことが、結果的に今回の活躍につながった。

 今大会で記録した3ゴールのうち2ゴールはPKによるものだが、トルコ戦のゴールは彼らしいテクニカルなダイレクトシュートだった。スピードを武器とするミカウターゼはDFの裏に抜け出すプレーも得意とするが、何より、ゴール前で左右両足から正確なシュートを決める能力の高さが最大の売りだ。

 今夏の市場ではメスがアヤックスから買い戻し、現在はメスが所属クラブとなっているが、早くも日本代表FWの南野拓実が所属するモナコが2500万ユーロ(約43億2000万円)で獲得することが濃厚と見られており、今シーズンはチャンピオンズリーグリーグ(CL)の舞台に立つ可能性も高まっている。年齢を考えてもまだ伸びしろは十分で、今後は日本でもミカウターゼの名前を目にする機会が増えるはずだ。

 フランスやオランダを抑え、グループDで首位通過を果たしたオーストリアであらためて評価を高めたのが、ボローニャに所属するシュテファン・ポッシュ(27歳)だ。

 今大会の4試合すべてにフル出場を果たしたポッシュは、不動の右サイドバック(SB)としてグループリーグから大車輪の活躍ぶり。トルコに敗れたラウンド16では、身長190センチの高さを生かしてヘッドでアシストも記録した。

 ポッシュはブンデスリーガのホッフェンハイムで長くプレーしたこともあり、ドイツ国内ではそれなりの知名度があったが、当時は本職のセンターバック(CB)でプレー。ところが、2022-23シーズンにレンタル移籍先のボローニャでプレーしていた際、シーズン途中に就任したチアゴ・モッタ監督により右SBにコンバートされたことをきっかけに、ブレイクを果たした。

 2023-24シーズンは、ボローニャにとってクラブ史上初となるCL出場権獲得に主軸として貢献。持ち前の守備力に加え、労を惜しまない上下運動や高いビルドアップ能力、そして攻撃時における中央でのチャンスメイクなど、以前になかった攻撃性を兼ね備えたことで、代表でのポジションも右SBに変化していった経緯がある。

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