3%の奇跡にアンフィールドが熱狂。リバプールがバルセロナに大逆転 (2ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 ところが、である。ユルゲン・クロップ監督は意に介さなかった。

 キックオフからリバプールは、フルスロットルで走り回った。失点を臆することなく、前線からフォアチェックを積極的にかけ、バルセロナ陣内へ圧力をかけていった。左サイドのクロスからMFジョーダン・ヘンダーソンが飛び込んだ開始1分のシーンにも、リバプールの気迫が伝わってきた。

 前半7分の先制点は、リバプールが勢いで押し切ったゴールだった。FWサディオ・マネがバルセロナの左SBジョルディ・アルバのバックパスをかっさらい、フィルミーノの代わりに先発したFWディボック・オリジが最後は押し込んだ。

 その後も、ムチを打ち続けるリバプール。攻守の切り替えが極めて速い、目の回るような展開に持ち込んだ。試合前にクロップ監督が「もし勝利できれば、すばらしいのひと言。実現できなければ、接戦で美しく散ってやろうじゃないか」と語っていた通りの戦いぶりだった。

 印象的だったのは、左SBアンドリュー・ロバートソンのクロスボールに、ヘンダーソンが左足を伸ばしてシュートを放った23分の場面。シュートはDFにクリアされたが、テクニカルエリアにいたクロップ監督は「これでいいんだ」と言わんばかりに、両手を叩きながら何度も頭を上下して納得の表情を見せていた。

 ただ同時に、リバプールは綱渡りの状態が続いた。バルセロナに1点でも奪われれば、合計5ゴールが必要になる。1失点がそのまま敗退につながる危険と、となり合わせの状況は変わらなかった。

 とくに前半は、バルセロナが決定的なチャンスを重ねた。だが、GKアリソン・ベッカーがファインセーブを連発して阻止。フィルジル・ファン・ダイクとジョエル・マティプのCBコンビも、ブロック&カバーで防波堤として機能した。

 そんな張り詰めた空気のなか、リバプールは後半9分と同11分にMFジョルジニオ・ワイナルドゥムが立て続けにゴールを決めた。これで、2試合合計スコアは3-3の同点。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る