トッテナムが笑い、マンCが泣いたVAR判定。
大接戦の勝敗の分かれ目 (2ページ目)
そんな目のまわるような展開に、英紙『デーリー・テレグラフ』が「信じられない!」と見出しを打てば、英紙『ガーディアン』も「劇的な展開になった。どこから語ればいいのかわからない」と世紀の大接戦を報じた。後半ロスタイムに入り、ヒートアップしたペップ・グアルディオラ監督とマウリシオ・ポチェッティーノ監督の両指揮官が思わずコートを脱ぎ捨てた光景からも、いかに白熱した試合だったかが伝わってきた。
さて、この一戦の勝負の分かれ目はどこにあったのか。ポイントはいくつかあったように思う。ひとつは、トッテナムのハイプレスだろう。
試合前、英紙『タイムズ』がポイントに上げていたのが、このハイプレスだった。ホームで行なわれた第1戦でも、トッテナムが自陣に引きこもることなく真っ向勝負を挑んだことが、1-0の勝利を呼び込んだ要因だった。
同紙は「トッテナムは勇気を持って前線からプレスをかけたい。とくにマンチェスター・CのDFアイメリク・ラポルテのような攻撃の起点となるDFを自由にしてならない。自陣深くに引いてしまえば、マンチェスター・Cに攻め込まれる。ビルドアップを寸断する必要がある」と、トッテナムが勝ち抜けるための条件としてハイプレスを挙げていた。
実際、トッテナムは立ち上がりから相手を囲い込むようにしてハイプレスを仕掛け、マンチェスター・CのDFに圧力をかけていった。こうした積極策が得点につながったのが、トッテナムの2点目だ。
プレミアリーグのDFとしてはトップとなる92.33%のパス成功率を誇るラポルテのトラップが大きくなったところを見逃さず、すばやくボールを奪取しゴールにつなげた。試合を通してトッテナムのプレスは、実に効果的だった。
もうひとつ、勝負を分けたポイントとして挙げなくてはならないのが、2ゴールを決めたソン・フンミンだ。
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