日本のW杯予選に危険信号。コンフェデのオーストラリアが驚きの強さ (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Getty Images

 オーストラリアはそんなチリに対して、軽くひねられるに違いない。柔よく剛を制するではないが、その大きな身体の脆さを突かれ、チリに切り裂かれてしまうのではないか。8月31日にオーストラリアとの決戦を控えている日本のファンは、チリに半分肩入れしながら観戦に及んだ人も多いはずだ。

 オーストラリアがチリを追い込む姿は、それだけにインパクトがあった。衝撃的な映像として目に飛び込んできた。日本ならやられているに違いないと、悲観的になった人は少なくないだろう。

 昨年10月、日本がメルボルンで対戦(結果は1-1)したときより、数段強くなっている印象だ。メンバー的にはそれほど大きな変化はないものの、サッカーの中身はより前向き、より攻撃的にガラリと一変していた。後ろで構えるイメージは薄れ、前からプレッシャーをかけるスタイルに、だ。

 小柄なチリの選手に大きな選手が襲いかかるようにプレスを掛ける姿。これは正直、怖い。狩猟民族に集団で襲われ、その餌食になる獲物の姿を想起させた。

 元大英帝国ながら、オーストラリアはイングランドというより北欧のサッカーに近い。例えばスウェーデンだ。

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