久保裕也、スイスで語る。「シュートを打つなと言われたこともあった」 (2ページ目)
「自分は一番前でやりたいという気持ちがあるけど、監督はトップ下とかサイドでアシストを求める。シュートを打つなとも言われたし。僕に香川真司さんをイメージしてたみたいで......」
比較的小柄で攻撃的なポジションの日本人選手イコール香川、という発想はわからないではないが、少々短絡的だろう。チームは香川のプレーを集めたビデオまで作って久保に意識づけを促したという。しかもそこにはゴールではなく、アシストのシーンばかりが集められていたという徹底ぶりだった。
「チームの中でナンバー10にしたかったんだと思います。でも僕は10番の選手じゃない。だから自分が10番になるように努力するか、自分がやってきたFWとしてのプレーを伸ばそうとするか、どっちかですごく迷った。結局、ストライカーとして点を取って、その上でアシストもできるという方がいいかなと思って、好きなようにやるようにしました。結果がちょっと出れば監督は何も言わなかったですし」
久保はFWとしてのプレーを貫くことを周囲に認めさせた。ヤングボーイズは今季に入ってから、アドルフ・ヒュッター監督が指揮を執る。「前監督とは真逆のタイプ」という新監督からはアシスト的なプレーを要求されることもなくなった。
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