クラシコ直前。バルサは独自のスタイルを失いつつある (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 中島大介●撮影 photo by Nakashima Daisuke

 3人のFWが真ん中に固まる弊害が、表面化するのではないかと見る。サイドアタッカーは、すなわち、両サイドともサイドバック各ひとりしかいない。対するマドリードはふたり。そのサイドにおける数的不利が、試合内容にそのまま影響すると見る。中盤ダイヤモンド型4−4−2同然の4-3-3では、マドリードの立体感のある攻撃に耐えられないのではないか。ネイマール、メッシ。そして、この試合がバルサでのデビュー戦になりそうなルイス・スアレスの個人技頼みになるような気がしてならない。

 もしそれで勝利を収めれば、「監督ありき」ではなく「選手ありき」のバルサになる。バルサが、クラブとしてこだわってきたスタイルを失うことになる。それが世の中に示されることになる。

 これまでのバルサには、他のクラブにはないカリスマ性があった。格好良すぎる美学、哲学があった。それが今、失われかけているような気がしてならない。追い風はマドリードの方に吹いている。僕にはそう見えるのだ。

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