長友佑都だけではない。インテルに故障者続出の理由

  • 内海浩子●文 text by Uchiumi Hiroko
  • photo by GettyImages

4月14日に行なわれたカリアリ対インテル戦。長友佑都は後半22分から出場、2月24日のミラン戦以来の復帰を果たしたが、同30分、足を引きずりながらピッチを後にした4月14日に行なわれたカリアリ対インテル戦。長友佑都は後半22分から出場、2月24日のミラン戦以来の復帰を果たしたが、同30分、足を引きずりながらピッチを後にした インテルは最後の希望の灯も失ってしまった。4月17日のコッパ・イタリア準決勝でローマに敗れ、「失敗のシーズン」という烙印を完全に押されたのである。

 インテルの行く手を大きく阻んだのは故障者の多さだ。特にFWはミリート、パラシオ、カッサーノというレギュラー組が次々に離脱し、点を取る役割を何とか託せるのは、1月の市場で"控え"として獲得したロッキだけ。セリエAではCBのラノッキアやサムエルをCFとして使わざるをえない状況にまで追い込まれている。

"動ける選手"を総動員して挑んだコッパ・イタリア準決勝でも、ウォーミングアップ中にカンビアッソが故障してギブアップ。昨年8月からここまで、"ケガによる欠場"で試合を休んでいないのはフアン・ジェジュスと最年長のサネッティだけなのだ(サネッティの"強じん伝説"はここでも証明されている)。

 インテルと対照的なのがナポリ。このチームは毎年、故障欠場者が少ない。今季も離脱者はひと桁で、しかも故障再発者はゼロ。ミリートや長友佑都のように、復帰直後に同じ個所を重症化させるケースは皆無で、フィジカル及びメディカルスタッフとマッザーリ監督の連携の良さが見てとれる。

 だが、ナポリを追う3位のミランや、コッパ・イタリアで決勝に残ったラツィオに目を向けると、インテルほどではないにせよ故障者が多いシーズンとなっている。それでもやり繰りができているのは、アレグリ(ミラン)やペトコビッチ(ラツィオ)と、ストラマッチョーニ(インテル)の持つ監督経験の差もあるのかもしれない。

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