【Jリーグ】柏レイソルを変貌させたリカルド・ロドリゲス監督「優勝できる力はあるし、自信もある」 (2ページ目)
――中国での経験とは、どういうものだったのでしょうか。
「中国では私が指揮を執り始めた直後にオーナーが代わり、クラブが不安定ななかでチーム作りをしないといけない状況でした。スピード感を持ってチーム作りをするためには、中国人選手に自分のアイデアを伝える際、より明確にわかりやすく説明しないといけない。そうやって、選手に明確にメッセージを伝える方法を学んだことは、今の柏を指揮するうえで生きています」
――浦和レッズ(2021年~2022年まで指揮)では、徳島の時とは少し異なり、選手を戦術的な枠にはめるだけではなく、選手個々の特徴を生かしたサッカーを実践していたように見えました。
「私が浦和で目指したスタイルは、明確でした。サイドには1対1で仕掛けられるウイングを配置し、後方からのビルドアップが得意な選手をそろえ、攻撃を組み立てていく。それを踏まえつつ、前線の選手の特徴を生かして、自分たちのスタイルを構築していく、ということ。
ただそのためには、どのようなプロセスをたどっていけばいいのか。その部分で、試行錯誤しました。
それでも(浦和での)2シーズン目、夏の時期には私が目指すべきスタイルを表現できていたと思います。より完成度を高めるために、もう少し指揮を執りたかったのですが、2年間、リーグ戦で中位をさまようことになり、道半ばで終わってしまったのは非常に残念でした。とはいえ、(その後のクラブワールドカップ出場権獲得につながる)AFCチャンピオンズリーグ決勝進出を達成するなど、少しは成長を見せられたと思います」
徳島で4年間、浦和で2年間指揮を執って、中国では武漢三鎮を1年間率いたリカルド監督。そして今シーズン、柏で指揮を執ることになった。柏はここ数年、残留争いに加わる苦しいシーズンを過ごしてきたが、ポゼッションサッカーを標榜するリカルド監督がチーム作りを進めると、テクニカルで能動的に動くスタイルを実現。勝てるチームへと昇華していった。
――今シーズンから柏で指揮を執るにあたって、まずは何が重要だと考えていましたか。
「選手(の補強)ですね。(フットボールダイレクターの)布部(陽功)さんと話をするなか、私が目指すスタイルにはどのような選手が必要なのか。お互いに意見を出し合いながらすり合わせて決めていきました。(補強する)選手はかつて一緒に仕事をした選手というよりも、私のスタイルに適した選手であったり、選手の持っている特徴などを重視して選びました。
既存の選手たちも、たとえば垣田(裕暉)は攻撃だけではなく、守備の部分でも貢献してくれるFWですし、MFの小屋松(知哉)はスピードとドリブルに特徴があり、ウイングの特性を持った選手です。彼らのような選手がいて、(自分が)必要な選手を(クラブが)獲得してくれたことで、すばらしいチーム編成ができたと思いました」
2 / 3