J1昇格へ最後の1枠を手にするのはどのチームか?「下剋上」が当たり前の熾烈な争い (2ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki

モンテディオ山形の躍進の原動力となっている土居聖真 photo by Masashi Hara/Getty Imagesモンテディオ山形の躍進の原動力となっている土居聖真 photo by Masashi Hara/Getty Imagesこの記事に関連する写真を見る 短期決戦で重要となる勢いという点で言えば、長崎をも凌駕するのは山形である。

 シーズン後半、怒涛の勢いで勝ち点を量産した山形は、リーグ戦を9連勝でフィニッシュ。とりわけ夏の移籍で土居聖真(鹿島アントラーズ→)が加入して以降は、実に12勝1敗1分けと、驚異的な戦績を残している。

 加えてJ1昇格プレーオフ(J1参入プレーオフも含む)には過去4度出場しており、クラブとしてしびれる舞台の経験も豊富。しかも4度のプレーオフ出場で初戦敗退は一度しかなく、2014年には6位からのJ1昇格を達成と、勝負強さが際立っている。

 ただし、過去4度はいずれも5位以下からの進出であり、ホームで戦った経験がない。追うものの強みを発揮したこれまでと異なるプレッシャーも生まれるなかで、どれだけ本来の力を発揮できるか。そのあたりに勝負のカギがありそうだ。

 その山形と準決勝で対戦する岡山にとっては、ここが絶好のリベンジの舞台となる。

 過去に2度、J1昇格プレーオフに進出した経験のある岡山だが、2度目となった2022年は3位での進出とあって、当時はJ1初昇格の期待が大いに高まっていた。

 ところが、結果はホームでの初戦敗退。それも0-3という完敗だったのだが、そのときの相手が山形だったのである。

 2年前のプレーオフでも岡山を率いていた木山隆之監督にしてみれば、この対戦は望むところだろう。舞台を山形に変えて行なわれる2年越しの再戦は、過去の因縁も含めて楽しみな試合となる。

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