青森山田とかつての「常勝軍団」国見。驚異的な強さを誇る2校には共通点が多い

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 木鋪虎雄●撮影 photo by Kishiku Torao

第100回全国高校サッカー選手権特集

 青森山田の強さばかりが際立った試合だった。

 全国高校サッカー選手権大会準決勝。青森山田は高川学園に6-0で圧勝し、決勝進出を果たした。

 相手の高川学園は今大会、「トルメンタ」をはじめとしたセットプレーを武器に快進撃を続けてききた。ベスト4に駒を進めた4校のなかで、勢いという点では最も大きなアドバンテージを持っていたと言ってもいいだろう。

 だがしかし、今季、全国高校総体に加え、プレミアリーグEASTも制した高校サッカー界の横綱は、まるで動じることがなかった。

 試合開始3分にして、FKで先制点を奪うと、26分にはCKから追加点。高川学園は粘り強く失点を防ぎ、ロースコアゲームに持ち込みたかったはずだが、その望みは試合序盤にして打ち砕かれた。

 前半なかばまでにセットプレーから効率よく得点を重ねた青森山田は、後半にも心身両面でエネルギーきれとなった高川学園から大量4得点を奪い、最後までつけ入るスキを与えなかった。

「青森山田らしいサッカーをしようというのが今日のテーマだった。過去3試合を振り返ると、相手を研究したことが頭に入りすぎて、自分たちのサッカーを見失っていた」

 そう語る青森山田の黒田剛監督も、「何でもできるサッカーを志向して1年間やってきた。それをしっかりやろうということで肩の荷が降りて、のびのびできたのではないか」と、"らしさ"を取り戻した選手たちを称えた。

「自分たちらしいサッカーをしよう。プレミアリーグでできたものが選手権でできないわけがない」

 青森山田のキャプテン、MF松木玖生もそんな気持ちでこの試合に臨んでいたと明かす。

松木玖生(右)が圧巻のゴールを決めるなど、青森山田が「らしさ」を見せて4年連続の決勝進出を決めた松木玖生(右)が圧巻のゴールを決めるなど、青森山田が「らしさ」を見せて4年連続の決勝進出を決めたこの記事に関連する写真を見る

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